大会長・副大会長 挨拶
大会長挨拶
第10回日本NP学会学術集会
大会長 島田 珠美 診療看護師(NP)
医療法人 誠医会 川崎大師訪問看護ステーション統括所長
療養通所介護まこと管理者
はじめに、日頃より診療看護師(NP)の活動にご協力を頂いております、病院関係者・教育関係者・福祉事業所等の関係者・支援団体のみなさまに心より感謝を申し上げます。
本学会は、2015年より診療看護師(NP)の実践・教育・研究活動を通して、人々の生活と健康に寄与すること目的に開催されており、この度第10回学術集会を開催することになりました。今回の大会から、日本NP学会の地方会が主催となって開催をする運びとなりました。関東地方会を代表して大会長を務めさせて頂くこと、大変光栄に存じます。
第10回学術集会のメインテーマは“For the patients, for the people.” 副題を「共創」~Let’s create future together~としました。
私たちはなぜ診療看護師を目指してきたのか、それはとりもなおさず、目の前で苦しんでいる患者様の困りごとにタイムリーに対応していきたい、そしてその方々の健康に寄与したいという想いからです。初心に戻り何のために医療を提供するのかを、しっかりと考えていきたいと思います。また、地域包括ケアの時代、医療や看護は病院の中だけのものではなくなっています。地域で多職種と連携しながら医療を提供できるシステムに寄与していくことも重要だと考えています。更に日本においてもグローバル化は進んでおり、今後より広い視野に立って物事を考える必要性があると考えております。
医療の進歩は望ましく、遺伝的な疾患を抱えた小児や医療的ケア児と呼ばれる子どもたちの多くが成人に移行するようになりました。そして今、少子高齢人口減少社会の中で多死時代を迎えています。国民のすべての方に、人生の最初から最後まで、望む場所で望む生活を送れるように、医療スタッフの一員として、地域の一員として私たちNPに何ができるのか模索していきたいと思っております。
このような想いを、今回のテーマに込めて、今学会では広く多職種との協働や国際的な視点を盛り込んだものとして企画しております。NP学会会員のみならず多くの方々の参加を願っております。国際的な企画も通訳を入れるなどして誰もが参加できるようにしたいと企画をしております。どうぞ、臆することなく通常のセッションと同様にご参加ください。更に今後の人口減少社会を考えて、工学との連携なども検討しております。是非ご期待ください。
今回は関東、東京開催となります。現地対面開催を基本としており、「体験」や「交流」にも力を入れた様々な企画を準備しております。皆様にアクセスのよい東京で開催することで多くの方に学会に足を運んで頂けると幸いです。これまでと同様に感染防止対策に十分に配慮し、安心・安全な環境で運営していきたいと考えております。
末筆ではありますが、日本NP学会、日本NP学会学術集会は今後も精進してまいる所存でございます。本学術集会開催にご協力いただきました関係者の皆様に心より感謝を申し上げるとともに、今後も変わらぬご指導、ご鞭撻のほど、どうぞ、よろしくお願いいたします。
副大会長挨拶
第10回日本NP学会学術集会
副大会長 井手上 龍児
聖マリアンナ医科大学病院看護部
診療看護師(NP)の活動に関与しているすべての皆様に心より感謝申し上げます。
今回の学術集会のテーマは「For the Patients, for the People」で、サブテーマは「共創」となりました。 私からはサブテーマについて話をしたいと思います。
我々の想いとして、本学術集会は診療看護師(NP)に関与する”すべての人々の手”で創造されると考えています。 メインポスターに表現された「手」にはそれぞれの歴史があり、その手には沢山の患者さん・家族・自分のキャリアなど様々な思い出や未来が詰まっているはずです。
困難が立ちはだかった際はその「手」を見つめ直し、あなたの「手」を他者と取り合う事で我々の未来を「共創」していきたいという願いが込められています。
過去の学術集会を踏襲しつつも、診療看護師(NP)の活動がワクワクするようなものを「共創」する所存でございます。
「共創」には、様々な立場の人々が協力し新しい価値を生み出していくというのが主要な文脈です。 我々は本学術集会の成功だけでなく、本学術集会を契機に5年後、10年後の後進育成や診療看護師(NP)の根拠の創出に加え、将来的な法改正を視野に入れて活動しています。 その結果、Nurse Practitioner(NP)先進国である米国とは異なる、本邦独自の新たな診療看護師(NP)の有用性を世界に発信していくことを目指しています。
本邦における診療看護師(NP)の学術活動を多様な視点から「共創」できれば大変ありがたく存じます。多くの人々の手で創り上げていくためにも、職種に関わらず沢山の参加をお待ちしています。アクセスの良い東京での開催ですので、皆様方におかれましては是非とも現地に足を運んでいただき、直接顔を合わせ語り合い、手を取り合い多職種連携でヘルスケアの未来を「共創」していただけますと幸甚に存じます。
副大会長挨拶
第10回日本NP学会学術集会
副大会長 五十嵐 真里
国際医療福祉大学大学院 講師
A member of ICN NP/APN Network
皆様に多くの支えをいただきながら、大学院教育の第一線で活動させていただいております。関係者の皆様には、心より御礼申し上げます。
「患者さんのためにスキルアップする」という思いを持って真摯に学修する大学院生と共に学びを深める日々は8年目を迎えました。この間、診療看護師(NP)養成課程への進学希望者は年々増加し、また、医療関連施設からの修了生採用募集も全国から数多く寄せられており、医療界において診療看護師(NP)のニーズが飛躍的に高まっていることを実感いたします。
国際的にも、ナースプラクティショナーは、サステナブルなヘルスケアシステムの有効なリソースであると認識され、その活用国も増加しています。これまで、国家戦略としてその導入の是非を問う議論の中心は、「質の高い実践のための経験と教育を有しているか」というテーマであったといわれています。
本学術集会は、診療看護師(NP)の経験と教育の質を可視化する機会であるといえます。この機会に、学際的なヘルスケアの問題に診療看護師(NP)をどのように活用することが望ましいのか、そのために追加すべき教育はどのようなものか等について、皆様と語り合い、最適解を導き出していきたいと考えております。
さて、このたびの学術集会の開催地である東京は、「世界の都市総合力ランキング(Global Power City Index)」で、ロンドン・ニューヨークに次いで、第3位になっており(2023年11月)、国際的にも魅力的な都市に位置づけられています。 開催会場である国際医療福祉大学東京赤坂キャンパスは、スカイツリーを一望できる東京の中心地にあり、国会議事堂やテレビ局などが程近く、交通アクセスに恵まれています。地域の特色として、名湯はありませんが、サ活*1ができる施設や、皇居ラン*2を楽しむための施設、また、先進的なビル群の中にも、日本の誇るべき江戸文化の風情が感じられるスポットがあります。
国際的あるいは先進的な知見と、日本の古き良き文化に触れながら、有意義な会となるよう準備を進めております。このたびの運営は、関東地方を中心とした臨床と教育の第一線で多様に実践をしているメンバーで力を合わせて、共に創っております。
大会組織のメンバー一同、皆様のご参加を心よりお待ちしております。
注釈:*1 サウナ活動、*2 皇居周囲のコースをランニングすること