photo

 現在、わが国では年間約10万件のカテーテルアブレーション治療が行われています。そのうちの6〜7割は心房細動に対して行われ、心室性不整脈に対しては1~2割程度です。しかしながら、心室性不整脈は、症例は少ないながらも突然死をきたすこともある危険性の高い疾患です。心室期外収縮から特発性心室頻拍や心室細動、器質的心疾患に伴う心室頻拍、心室細動など種類も多く、治療法も薬物治療からカテーテルアブレーション治療、デバイス治療まで様々で、症例によっては治療に難渋します。しかしながら、心室性不整脈に特化した全国レベルの研究会はわが国には少なかったため、議論する場がこれまでほとんどありませんでした。

 このような背景から、心室性不整脈を広い視点で議論し、かつ若い先生方に興味を持っていただくための場として「Japan VT symposium」を立ち上げました。本研究会では、心室性不整脈の正確な診断と的確な治療法に向けた議論を行うとともに、多施設における心室性不整脈の症例を蓄積して、その研究成果を世界に発信していきたいと考えています。 本研究会を立ち上げるにあたり、お力添えを賜るとともに顧問をお引き受けいただいた野上昭彦先生、夛田浩先生、副島京子先生、発足に尽力いただいた幹事の皆様方に厚く御礼申し上げます。さらには、協賛いただいた多くの企業にも厚く御礼申し上げます。

 最後になりますが、心室性不整脈に興味のある皆様方、これから興味を持つであろう皆様方とともに本研究会を発展させていきたいと考えておりますので、何卒ご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

牧田総合病院 循環器内科 部長
同 不整脈・失神センター 部長
河村 光晴