
このたび第55回臨床心臓電気生理研究会の当番幹事に推薦いただき、代表幹事をはじめ幹事会の先生方には深く感謝を申し上げます。伝統ある本研究会で、このように重要な役割をつとめる機会をいただき、大変光栄に存じます。
私が本研究会で初めて発表の機会を得たのは第14回開催の時でした。その当時、膨大な心内電位図記録紙を前に、デバイダーを片手に不整脈の機序解明に取り組んでいたことを懐かしく思い出します。その後コンピュータ技術の急速な発展とともに、検査機器や診療機器の技術的革新も相まって、不整脈の診断・治療は飛躍的な進歩を遂げました。今日では、日常診療の多くの場面でこれらの技術的恩恵にあずかる機会が増えてきていることを実感しています。しかし、我々が日々経験する症例はしばしば複雑かつ多彩な電気生理現象を伴い、症例ごとに詳細な解析が必要になることが少なくありません。それは同時に不整脈治療の成否にもつながるものであり、極めて重要であることはいつの時代も変わりありません。本研究会は、日常診療で経験した症例の電気生理学的知見を深く討議し、最新の情報や治療法を共有する場として機能してきました。第55回を迎えるこの研究会も貴重な症例発表と活発なディスカッションを通して、参加者の臨床力向上に寄与できることを心より願っております。
今回の研究会には、全国64施設からの演題応募を頂いております。現在、15名の先生方による厳正な査読を行っておりますので、査読結果は近日中にお知らせできることと思います。今しばらくお待ちいただきますようお願い申し上げます。
最後に、第55回臨床心臓電気生理研究会の開催に向けてご協力いただいたすべての関係者の皆様に深く感謝申し上げます。そして、参加者の皆様が本研究会を通じて有意義な時間を過ごせるよう、準備に全力を尽くす所存ですので、何卒よろしくお願い申し上げます。
2025年2月
第55回臨床心臓電気生理研究会
当番幹事 中里 祐二
(榊原サピアタワークリニック/順天堂大学循環器内科)